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剣道の構えを種類ごとに徹底解説【構えの基本と応用の完全版】

剣道理論

剣道好き「剣道の構えの種類が知りたい!」
「構えを上達させたい!」

という方向けに、剣道の構えについて細かく解説していきます。

この記事を書いている私は

  • 剣道歴15年以上
  • 現在は子供たちに指導など

という経歴なので、分かりやすく実践的な内容で解説していきます。

剣道の構えを種類ごとに徹底解説


剣道の構えは「五行の構え」と言われています。

具体的には以下の5つの構えがあります。

  • 中段の構え
  • 上段の構え
  • 下段の構え
  • 八相の構え
  • 脇構え

しかし、実際の剣道では以下の3つの構えのみ使用されています。

  • 中段の構え
  • 上段の構え
  • 対上段の構え*
*対上段は中段の構えの変形です。

今回は、「5行の構え」全ての説明をしながら、特に実践で使う3つの構えについて細かく説明していきます。

実践で使う剣道の構えの種類とポイント

まずは、実際の剣道で使われる3つの構えの基本~応用を詳しく解説していきます。

剣道の中段の構えについて

まずは最もオーソドックスで、基本となる「中段の構え」についてです。

肌感覚ですが9割くらいの人は「中段」です。

中段の構えの特徴は以下の通りです。

  • 攻守のバランスが良い
  • 癖がない
  • 柔軟な構えが可能

現代剣道でもメリットが多く、特に弱点がないので最も適した構えであると思います。

中段の基本ポイント

中段の基本としては、足や手の構えを練習しながら、以下の3つを意識するのがおススメです。

  • 自分の体の真ん中で構える
  • 剣先を上げすぎない
  • 力みすぎない

特に、初心者の内は、剣先が高くなりやすいので注意しましょう!

構えは全ての基本なので大事にしましょう。

中段の上達ポイント

さらに上達したい人は、以下の3つに注意しましょう!

  • いつでも打てる体勢
  • 相手に合わせない
  • 自然体

中でも、「いつでも打てる体勢」は全ての構えで大事になってきます。

もっと詳しい中段の構えのポイントの解説は下の記事で解説してます。
>> 剣道の中段の構えのポイントを徹底解説【基本から応用まで】

剣道の上段の構えについて

続いて解説するのは、超攻撃的な「上段の構え」です。

上段の構えの特徴は以下の通りです。

  • 打突のスピードと威力が凄まじい
  • 攻めの気持ちが必須
  • 腕の筋力と持久力が必要

振り上げた状態の上段はやはり、その攻撃力が大きな武器になります。

一方で、防御面が弱くなってしまうのが弱点です。

竹刀を片手で扱う事も多く、身体的な強さはもちろんですが、攻めに特化する心の強さも必要になります。

上段の実用性について

結論から言うと、上段は十分に活躍できる構えです。

実際に全国クラスの試合でも上段の選手はいますし、高校生以上*であれば十分やってみる価値があると思います。

*原則中学生以下は認められてないので注意

上段に興味のある方向けの、構え方や技の解説は下の記事でまとめています。
>> 剣道の上段の構えの特徴とポイント

剣道の対上段の構えについて


上段の強力な攻めに対応するための構えが「対上段の構え」です。

写真のように中段よりやや高めに構えるのがポイントです。

なぜ高めに構えるのか

  • 振り上げている状態からの打突
  • 中段からの打突

を同時に繰り出した時に、前者の方が早くなるのは一目瞭然ですよね。

さらに、上段の「早くて強い打突を避ける」手段としても、あらかじめ剣先を高めにするのが有効です。

上段対策は知識や経験がものをいうので、とにかくやってみる・見てみるのが大切です。

私なりの上段対策の全てを参考動画と共に、下の記事にまとめているので良ければ読んでみてください。
>> 剣道の上段の構えの特徴とポイント

その他の剣道の構えの種類と特徴

ここからは「五行の構え」の中でも、実際の競技シーンでは使われない3つの構えに注目して解説していきます。

剣道の下段の構えについて

下段は、竹刀の剣先を大きく下げる構えです。

特徴としては

  • 足への攻撃ができる
  • 全方位に攻撃可能
  • 相手に圧をかけられる

というものがあり、真剣での切り合いであれば、足への攻撃がかなり有効です。

とはいえ、現代剣道では、足への攻撃は禁止なので、実際に使う人は殆どいません。

薙刀は足を狙えるので下段気味になったりしますね。

下段を使う機会

実践で使わないとは言え、剣道で下段を使う機会は2つあります。

  • 日本剣道形
  • 構えを解いている時

特に「構えを解いている時」に関しては、竹刀を下げて休憩をしながら警戒するという意味で「下段」をとる事になります。

下段の細かな解説について

下段を理解するためには、歴史であったりメリットを理解するのが重要です。

それらの詳しい解説や、参考動画は下の記事で細かく解説しています。
>> 剣道で下段の構えは使えるのか【特徴とやり方を徹底解説】

剣道の八相の構えについて

八相の構えは、竹刀を立てて顔の横にもってくる構えです。

特徴としては

  • 上段より疲れない
  • 下段より攻撃的
  • 腹を切りやすい

というものがあり、八相の構えは攻撃性を持ちながら休める構えになります。

イメージとしては下段と上段のハイブリットのような構えです。

しかし現代剣道とはマッチしないので使われません。

八相の構えを使う機会

剣道で八相の構えを使う機会は「日本剣道形」のみです。

剣道形以外で使う事はないかと思います。

剣道の脇構えについて

最後に、八相の構えに対する構えの脇構えです。

構えの形としては、半身で腰に竹刀を持ってきて、前から見た時に刀を隠すような構えです。

特徴としては以下の通りです。

  • 後ろからの攻撃に対応できる
  • 変則的な攻撃に強い

相手の攻撃が読めなかったり、特殊な武器を相手にするときに有効な構えです。

剣道形など、八相の構えと対峙する事が多いです。

脇構えを使う機会

脇構えも八相の構え同様で、剣道型以外では使いません。