梶谷彪雅監修剣道情報サイト

剣道の団体戦のルール完全版【これさえ読めば全て分かる】

剣道理論

剣道好き「剣道の団体戦のルールがいまいちわからない」
「順番の名前とかややこしい!」

こんな悩みをお持ちの方向けに、今回は「剣道の団体戦の基礎とルール」について、かなり詳しく解説していきます。

団体戦の種類やルール説明に加えて、スコア表の書き方など、初心者の方に向けてとことん説明していきます。

この記事を書いている私は

  • 剣道歴15年以上
  • 団体戦大好き
  • 現在は初心者~経験者まで幅広く指導

という経歴なので、初心者の方や、剣道についてよく知らない人にも分かりやすい説明になっています。

剣道の団体戦のルール完全版


まずは剣道の団体戦のルールについてに説明をしていきます。

基本的に重要なのは以下の4点です。

  • 団体戦での人数や順番
  • 各ポジションの名前
  • 勝利条件について
  • スコア表について

では早速、順番に説明していきます!

剣道の団体戦での人数と順番のルール

剣道の団体戦では1チームの人数が大会によって変わります!

よく使われる人数としては主に以下の4つです。

  • 3人制(ローカル大会や女子の部で多い)
  • 5人制(最もメジャーで中高生に多い)
  • 7人制(大学剣道に多い)
  • それ以上(対抗戦・東西戦などに多い)

年代や地域によって、どの人数になるかの差はありますが、人数のルールとしては上の4つで網羅できていると思います。

基本的には3人制・5人制が多い

高校生以下の剣道の団体戦では3人制か5人制が採用されている事がほとんどです。

また、剣道に限った話ではありませんが、基本的に団体戦は奇数人数で1チームとすることがセオリーです!(勝敗数の関係で)

試合の順番について

団体戦では「オーダー表」というものを各チームから提出してもらい、その順番に試合が進みます。

ただ、剣道の団体戦では、「2番目の試合」のように番号で言う事はほとんどなく、各ポジションの名前で呼ぶことがほとんどです。

また、このポジションの呼び方などが特殊なので、詳しく解説していきます。

団体戦における各ポジション名

団体戦の順番で混乱してしまわないようにそれぞれの名前についても抑えていきましょう。

各ポジションの団体戦での役割や特徴などは下の記事で細かく解説しています。
>> 剣道団体戦のポジションの役割と特徴を徹底解説!【経験者が語る】

では早速、試合順に左から矢印を使って示します!

・3人制

先鋒→中堅→大将

・5人制

 先鋒→次鋒→中堅→副将→大将

ここまでは、剣道の団体戦に限らず、どこかで聞いた事のある名前も多いのではないかと思います!

ここからは人数が増え、ややこしくなってきますが、上の5人制の名前に注目してください。

・7人制

先鋒→次鋒→五将→中堅→三将→副将→大将

突然「数字+将」という名前が出てきましたね。

ただ、先ほども書いた通り「始めの人が先鋒・2番目が次鋒・真ん中が中堅・後ろは副将・大将」のように基本は5人制の名前と同じルールで考えます。

そうすると、まずは下のように名前がつけられます。

先鋒→次鋒→??→中堅→??→副将→大将

そして、余ってしまった「??」の選手に新しい呼び方をつけます。

この名前のつけ方のルールはずばり

「大将を1番として何番目か」です。

簡単に言うと、後ろから数えればOKです!

大将が1・副将が2となると、その前は「三」将となり、中堅(4)を挟んで「五」将となります!

7人制以上の団体戦では全て同じルールで順番が決まっていきます。

以上が剣道の団体戦における人数と順番・名前に関するルールです。

剣道の団体戦の基本ルール


ここから実際の細かな団体戦のルール説明に入っていきます!

団体戦の基本ルールについて

結論として、団体戦は

「個人戦の集まり」と考えるのが最もわかりやすいです。

団体戦は、個人戦を数回繰り返すものなので、反則行為などの基本的なルールは個人戦と同じになります。

試合時間に関しては、大会の規模や、地域性があるので一概には言えませんが個人戦同様で

  • 小学生2分半
  • 中高生3分
  • 大人5分

などが多いかなという感じです。

引き分けについて

剣道の個人戦は引き分けとなる場合、延長戦を行う事が多いです。

しかし、団体戦では基本的に引き分けの場合は、延長戦は行いません。

(大会によっては延長戦をすることもあります)

そして、この引き分けルールが大きく影響するのが次に説明する勝利条件です。

団体戦での勝利条件について

先ほども書いた通り、剣道の団体戦は「個人戦の集まり」です。

団体戦だからと言って、サッカーのように複数人でコートに入ることはありません!

「1対1の勝負」を人数分行い、チームとしての勝ち数・1本数によって勝敗を付けます。

それでもなお、引き分けの時は代表戦となります。

具体的には以下の通りで、左から順に勝敗が決まらなければ矢印の方に進んでいきます!

勝ちの数で判断→取った一本の数で判断→代表戦で判断

まだわかりづらい方もいると思うので、5人制の試合を例を出しながら勝敗に関するルールの確認をしていきます。

例1:3勝2敗

チームの中で、3人が勝って、2人が負けたとします。

この場合は、勝ち数の方が多い方が勝つので、この時点でこちらのチームの勝ちとなります!

1本勝ち・2本勝ちに関係なく勝敗が付きます。

例2:1勝1敗3引き分け

チームの中で、1人が2本勝ち、1人が1本負け、3人は引き分けだとしましょう。

この場合勝ち数・負け数はどちらも1で同じなので、勝敗の決定ができません。

となると、上の説明の矢印に沿って進んで、取った本数で判断します。

チームで取った本数を合計し、相手と比べます。

上の例だと、自分のチームは2本とり、相手のチームは1本取ってます。(2-1)

つまり、こっちの方が取った本数が多いので、こちらのチームの勝ちとなります!

少しややこしくなってきましたね・・・(笑)

1本取ったけど2本とられて負けの時は?

剣道の試合では1本取ったけど2本とられたなどの展開がありますが、この際もシンプルにとった本数を数えましょう!

つまり、「自分のチームに+1本・相手のチームに+2本」です。

例3:1勝1敗3引き分け

先ほどと同じ勝敗数ですが、少し変化させます!

チームの中で、1人が2本勝ち、1人が2本負け、3人は引き分けだとしましょう。

この場合も勝ち数・負け数が同じで、勝敗の決定ができませんよね。

ですので、先ほど同様に矢印に沿って進んで、取った本数で判断しましょう。

しかし、「2本対2本」で勝敗がつきません。

そうすると、さらに矢印に沿って進み、「代表戦」となります!

剣道の団体戦における代表戦

代表戦では、チームの中から1人選出して、その選手同士が時間無制限の1本勝負をします。

そして、その勝者側のチームが団体戦の勝者となるです!

大会によっては、最初に引き分けた選手による代表戦となるルールもあります。

チームで選べる場合は、下のような基準で選ぶチームが多いです。

  • チーム内で最も実力のある選手
  • その日の調子がいい選手
  • 相手選手との相性がいい選手

ただ単に普段強い選手を選ぶだけではなく、その日の調子などによって選ばれることもあります。

剣道の団体戦における勝敗の決め方のルールはこれでほぼ、網羅できていると思います!

剣道の団体戦のスコア表のルールについて


ここまでで説明してきたとおり、剣道の団体戦における勝敗のルールはややこしいです。

頭の中で、勝敗数・取った本数を数えるのは大変ですよね...

これを1発で見ればわかるようにしたものが「スコア表」と呼ばれるものです。

基本的には上の写真のように記入していくのですが、スコア表に関しての細かい説明は下の記事にまとめているので参考にしてください。
>> 剣道の団体戦のスコア表の書き方と効果を徹底解説【サンプル有】

剣道の特殊な団体戦ルール


一般的な団体戦のルールについては以上になりますが、剣道には少し変わった団体戦が存在します。

出場する大会によっては重要になってきたり、単に剣道が面白くなるのでざっと説明していきます。

剣道の勝ち残り団体戦ルール

実は剣道の団体戦では「勝ち残り形式のルール」を採用したものがあります。

特に有名なのは高校剣道の全国規模のオープン大会である「玉竜旗」です!

ルールは5人制の団体戦で相手の大将を倒したら勝ち

ややこしいルールは一切なしで、最終的に相手チームの大将に勝った方が勝ちです。

もちろん、大将の前には先鋒~副将がいるので、初めは先鋒同士の試合ですが、勝った方はその場に残り、連続で次鋒と試合をします。

さらに次鋒に勝利すると中堅・副将…と、どんどん連続で戦っていくのです。

つまり、先鋒だけで大将まで5人抜きという事も起こるのです!

逆に、大将戦まで4人抜かれたけど、大将が5人抜きで大逆転という事も十分あり得ます!。

この派手な試合展開や、手に汗握る攻防こそが、玉竜旗の醍醐味だったりします。

実際に玉竜旗では「伝説」をいくつも生み出してきました。

具体的には

  • 大将が10人以上抜いて優勝
  • 大将に1度も試合させる事無く優勝
  • 先鋒が一大会で数十勝

などです。

普通の団体戦ルールではここまでの派手な結果は残りにくかったりします。

また、普通の団体戦だけだと飽きてしまう所もあるので、たまにはこんな特殊ルールで行うのも良いのかなと思います!