梶谷彪雅監修剣道情報サイト

剣道の抜き胴のコツを徹底解説!【返し胴との比較あり】

各種技解説

剣道好き「剣道の抜き胴が苦手でコツを知りたい!」
「返し胴と抜き胴の違いについて知りたい!」

今回はそんな方向けに、抜き胴の打ち方のコツや、返し胴との使い分け・練習方法について解説していきます。

この記事を書いている私は

  • 剣道歴15年以上
  • 前まで胴打ちが超苦手だった
  • 今では試合でもよく狙う技へ

という事で、もともと胴打ちが苦手だったため、今現在胴打ちがあまり得意ではない方向けに細かく解説していきますね。

剣道の抜き胴のコツを徹底解説!


結論から言うと以下の3点が抜き胴の大切なポイントになります。

  • 抜き胴と返し胴の違いを知る
  • 具体的な抜き胴のコツを知る
  • 抜き胴を使い分けるようにする

順番に解説していきます。

抜き胴と返し胴の違いを知る

剣道の抜き胴のコツを解説する上で、大切にしていただきたいのは抜き胴と返し胴の違いについてです。

結論として、私個人の意見として、返し胴と抜き胴に大きな差はないと思っています。

急にこんなことを言っても、「どう見ても違うじゃないか!」と思いますよね(笑)

ここからは具体的に画像を用いながら解説していきます。

実際に私の返し胴の打突を静止画でみてみましょう


お互い中段のところで攻め合い

相手の面の打突を竹刀でさばき

返して胴をとらえます

私自身、この打突は返し胴として狙って打ってますし、実際に竹刀で避けて打突してますよね。

ただ、ここで皆さんに一つ考えてほしい事があります。

避ける際に竹刀同士が当たらなかったらこれは返し胴ですか?抜き胴ですか?

もし相手の面打ちが、竹刀に完全に触れていなければ抜き胴と捉える事もできるのではないでしょうか?

実は、私の返し胴では相手の面を竹刀で避けていません

上の画像を見ると分かりますが、1枚目のシーンから2枚目のシーンにかけて、私の体は斜め前に入れ込むようになってます。

そして、2枚目のシーンでの相手の面は竹刀を通り越して本来の私の面の位置に届いています!

簡単に言うと竹刀ではなく体で避けています。

返し胴として紹介したものの、竹刀で避けて(返して)打とうとしているわけではありません。

極端に言えば、相手の面の速度によってたまたま返し胴(抜き胴)になった程度のものなのです。

打ち方に大きな差はありません!

面打ちのスピードや位置次第で返し胴にも抜き胴にもなりうるのです

重要なのは「抜き胴」と「返し胴」どちらを狙うかです。

メンタル的な話ですが、頭の中でどちらをイメージするかは意外にも重要になってきます!

打ち方のコツを知る

打ち方がほぼ同じといっても、やはり抜き胴用のコツというものは存在します。

とはいえ、上で書いた通り、実は返し胴のコツがかなり重要になっているので、まずはそちらを抑えてみるのが良いかと思います。

具体的な返し胴のコツについては下の記事にまとめてあります。
>> 剣道の返し胴の打ち方と決めるコツ【苦手な向けに徹底解説】

それを踏まえたうえで、抜き胴のコツも具体的に紹介していきます。

結論として以下の3点が抜き胴のコツになります。

  • 思い切って動く
  • 体を深めに
  • 手元を上げない

順番に解説していきます。

思い切って動く

抜き胴と返し胴の違いとして、打突の速さがあります。

あくまで返し胴は相手の面に対して応じる技です。

一方で、抜き胴は出鼻技に近い技です。

相手の動きに惑わされてしまうと、抜き胴は間に合いません。

抜き胴を狙う際は迷わず思い切って動きましょう。

体を深めに

返し胴のコツの記事に、体でのよけ方を解説しましたが、抜き胴ではさらに右に深めに体を入れ込むイメージでやるようにしましょう。

やはり竹刀で避けれるという安全性がない分、体で相手の打突を避けなくてはなりません。

ここで、中途半端な避けにならないように注意が必要です。

手元を上げない

最後に手元を上げないという事で、よりコンパクトな打突を心掛けましょう。

上の思い切って動くと同じで、中途半端な動きがあると抜き胴は決まりません。

腕の動きのイメージとしては、剣先を前に出して最速で胴打ちをするような動きを意識しましょう。

抜き胴と返し胴の使い分けをする


「返し胴」と「抜き胴」はどちらも技として重宝されていますが、皆さんが目にする機会が多いのは「返し胴」ではないかと思います。

ではどのような使い分けがあるのか、実践に生かせるような形で紹介していきます!

結論として、私の研究による個人的な意見ですが、返し胴と抜き胴は下のように使い分けています。

  • 相手の面が遅いと感じれば抜き胴を狙う
  • 相手の面が早いと感じれば返し胴を狙う

具体例を交えながら詳しく解説していきます。

初心者VS経験者を考えてみよう

簡単な例として「初心者vs経験者」(「大人VS子供」でも可)の状況を考えてみます。

このような実力の離れた状況で、経験者側が返し胴を狙うのは意外にも難しいです。

極端な例ですが

大きな面打ちをしてくる相手に返し胴を狙うと上手くいかない

というのと同じ原理です。

そういった時には相手の面を察知したら一気に胴を打ち、抜き胴の形を狙いましょう!

大学生vs大学生を考えてみよう

一方で、大学生同士の試合など、実力が拮抗してるケースでは抜き胴は非常に難しいです。

実際、抜き胴ってあまり見ることがありませんよね。

先ほどのように実力差がない場合には、抜き胴よりも返し胴を狙う方が良いかと思います。

このような使い分けが、試合シーンで抜き胴をあまり見かけない要因になっていると思います。

剣道の抜き胴と返し胴どっちを練習すればいいの?


最後に抜き胴についてのおススメの練習方法や、返し胴と抜き胴だったらどっちがいいのかについて解説します。

抜き胴は相手に合わせて練習する

練習方法として、「相手に合わせて繰り出す」のをお勧めします。

先ほども挙げた通り

抜き胴が有効な相手もいれば、返し胴が有効な相手もいます。

つまり、使い分けを覚えるという点でも、練習の中で相手によって練習する技を変えるのがおススメです。

「返し胴と抜き胴どっちを練習すればよいか」

もちろん、どちらもできるのが1番ですが、胴打ちが苦手だった私は、どちらか1つだけ覚えたいと感じてました(笑)

胴打ちがある程度できるようになった今の私から言うと

どちらかを1つを練習するのなら返し胴がおススメです

理由は先ほど説明した使い分けの特徴です。

相手の打ちが遅い場合、つまり抜き胴を狙う相手であれば、合い面や出鼻小手も狙えます。

もっと言ってしまえば、無理して胴を狙わずに得意技で勝負することが可能なのです。

一方で、相手の打ちが速い場合、つまり返し胴を狙う相手に対して狙える技は少ないです。

特に出鼻小手・合い面ではスピード負けして有効打突を取られてしまう可能性すらあります。

そこで使える技こそが返し胴です

こういった理由からどちらか選ぶのであれば返し胴をお勧めします!

ハッキリ言うと、今回お伝えした考え方は「私なりの考え」なので、これが正しいとは思っていません。

ただし、私はこの意識で超苦手だった抜き胴・返し胴を実践レベルまで落とし込めることができました。