【トップ選手が徹底解説】剣道のすり足・足さばきのポイントと練習方法
剣道好き「足さばきが苦手」
「上手くなるにはどうしたらいいの?」
という方向けに、剣道の足さばき(すり足)のポイントと練習方法を徹底解説していきます。
動画での解説はこちら
この記事では、動画の内容をさらに細かく解説していきます。
この記事は「梶谷彪雅」
さんが監修しています。梶谷さんは
- 全中団体優勝
- 九州学院で高校6冠達成
- 全日本学生優勝大会第3位
という経歴で、日本トップクラスの足さばきのポイントを分かりやすく解説していきます。
剣道のすり足・足さばきのポイントと練習方法
剣道において、「足さばき」
というのは基本動作の中でも特に重要になってきます。
一方で、初心者が躓きやすく、中級者以上の方も悩むことが多いのが足さばきだと思います。
そんな足さばきは、大きく分けると以下の2種類に分ける事ができます。
- 攻め合いの時の足さばき
- 打突後の足さばき
これらに加えて「踏み込み」
もありますが、踏み込みについては下の記事で詳しく解説しています。
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まず始めに、この2つの足さばきの違いと意識するポイントを紹介していきます。
攻め合いの時の足さばき(すり足)
攻め合いの時の足さばきでは
「いつでも打てる体制」
というのは、「いつでも蹴りだせる体制」のことで防御・打突どちらにも対応する事ができる体制のことです。
この体制を作るためには、小さく早い足さばきが必要になります。
そこで特に意識すると良いポイントが
- 左足の引きつけ
- 重心移動
の2つです。
左足の引きつけと重心移動
「引きつけ」と「重心移動」の感覚を掴む方法として
のがおすすめです。そうはいってもイメージが難しいと思うので画像付きで説明します。
まず始めに、通常のすり足のように、「左足で蹴りだして体ごと前に移動」します。
次に、右足が前に出て「重心が右足に乗る瞬間」に「左足を引き付けて左足に重心を移す」事を行います。
この練習で左足の引きつけと重心移動のコントロールを覚えましょう。
また、片足になっている姿勢で静止する事で「バランス
」や「体幹」
も鍛える事が出来ます。ふらつかないように意識してやると効果アップです。
この一連の動きをスピードアップして連続で行うことで「足さばきの感覚」と「左足の筋力」を同時に手に入れる事ができます。
打った後の足さばき(すり足)
打突後の足さばきでは
打突後に重要なのは相手との間合いを取ることや、残心を示す事になります。
そこで「早く抜ける」というのが重要になります。
しかし、攻めるときのような小さく早い足さばきを頑張っても、なかなか早く抜ける事はできません。さらに、打突後の「キレ」の部分もいまいちになってしまいます。
早く綺麗に抜けるためには以下の2つがポイントになります。
- 一歩を大きくする
- 上下運動をしない
一歩を大きくする
一点目はシンプルですが、すり足・足さばきの一歩を大きくしましょう。
左足のひきつけや重心はこれまで同様で、一歩を大きくすることで、素早く抜ける事が可能になります。
イメージとしては馬が走り抜けていくように、左足と右足そして体全体を大きく使って抜け切る感覚です。
上下運動をしない
大きく足さばきを行うと「上体が上下に動きがち」になります。
上下運動をしてしまうと、その分抜けが遅くなりますし、見栄えも悪くなります。
そのため、できるだけ頭の高さが変わらないように「平行移動」を意識して行いましょう。
剣道のすり足・足さばきの練習方法
ここからは足さばき・すり足の練習方法を紹介します。
まずはこれまでのポイントを元に、基本的な「前後左右のすり足練習」をしましょう。
ある程度基本の感覚がつかめてきた方には、より実践的な足さばき・すり足の獲得の為に以下の3つの練習がおすすめです。
- 円の足捌き
- 前進後退のスイッチ
- 打突後の抜け練習
円の足さばき
円の足さばきでは、床に円を描くように足さばきを行います。
足さばきで意識する円は、まん丸ではなくて縦長の楕円型で行うのがポイントです。
その中で「前後に動く部分のスピードを速くする」というのが非常に重要になります。
前に行く足さばきと後ろに下がる足さばきをトップスピードでできるように心がけましょう。
前進後退のスイッチ足さばき
スイッチ足さばきは
- 一定の位置まで前に進む
- 後ろに進んで戻る
という動作を交互に行うもので、「青い線から赤い線まで」
のように線などを決めて行う事がよくあるかと思います。
しかし、線や目標を決めて行うより「太鼓や笛などを用いて第三者がタイミングを決める」のがおすすめです。
足さばきをする人以外の人がタイミングを決める事で「足さばきの瞬発力」や「反応スピード」を鍛える事ができるのです。
打突後の抜け足さばき練習
この練習では、打突後の抜ける足さばきの動きだけを練習します。
上で説明した通り、打突後の足さばきは「大きく早く抜ける」
のがポイントです。
しかし、足さばきだけの練習ではできても、実際に打突するといまいちできない場合があります。
そこで、打突後の姿勢を作ってから足を動かすことで、「実戦での動きとリンクさせる」事ができるのです。
面打ちだけでなく小手打ちでも同様の練習をすることで、ただの足さばきではなく打突の「キレ」の部分や体全体の使い方を覚える事ができます。
また、踏み込みの余韻だけでの「抜け」とは異なり意識的に抜けを考える事ができるため、基本練習としても重要になってきます。