梶谷彪雅監修剣道情報サイト

剣道の元立ちが意識すべきポイント【受け方解説あり】

剣道理論

剣道好き「剣道の元立ちのポイントを知りたい!」
「元立ちって大事?」

という方向けに、剣道の元立ちについて徹底解説していきます。

この記事を書いている私は

  • 剣道歴15年以上
  • 現在は子供たちに指導など

という経歴なので、分かりやすく説明していきます。

剣道の元立ちが意識すべきポイント

良く言われる事ですが、剣道の元立ちは非常に重要です。

テキトーにやると、相手も自分も成長する事はできません。

結論から言うと、元立ちが意識すべきポイントは以下の4点です。

  • 本気でやる
  • 考えながらやる
  • 間合い管理
  • 打たせ方を意識する

順番に説明していきます。

本気で剣道の元立ちをすること

まず1つ目として「気を抜かず本気でいる事」が重要です。

元立ちの時間で休憩したり、気を抜いてしまう人は意外と多いです。

具体的には

  • 左足のかかとがついてる
  • 構えがテキトー
  • 声を出さない

などには気を付けましょう。

お互いに構え合ったら、常に試合や審査の気持ちでいるのが重要です。

「声を出す事」は最重要

皆さんは打突前に構え合った時に、声を出していますか?

「本気でやる」とお伝えしましたが、まずは構え合ったらお互いに精一杯声を出してみましょう。

これは、子供から大人まで共通です。

小さなことですが、手を抜かず、本気の声を出すだけで、稽古自体もチームとしての質も上がっていきます。

意識していなかった人は、ぜひとも、取り入れてほしいと思います。

もし手を抜いたら

手を抜いたら自分の稽古にならないのは十分想像できますよね。

しかし、実際には相手の稽古の妨害をしてしまう事もあります。

「手を抜かれている」という感覚は伝わります。

個人的には、子供・初心者の方相手に、抜いてしまう人は元立ちには不適切だと思ってます。

剣道を考えながら元立ちをやる

元立ちをやっていると「何となく」受けてしまう事が多くなります。

とりあえず開ける・打たせるという風になりがちですが、

  • 相手の打ち方研究
  • 弱点を探る
  • 応じ技を妄想

など、打たせる中でも自分が成長するポイントがいくつもあります。

実際に私も、面打ちの元立ちの時には、応じ技をイメトレしています。

自分なりに考えて意識してみましょう。

剣道の元立ちは間合い管理が重要

続いては「間合いの調整」についてです。

掛かり手が、打突をして抜けていった後に、遠すぎる位置にいるとお互いに気が抜けてしまいます。

上の話にもつながりますが、打たせた後は振り返りを狙うぐらいの気持ちでいましょう。

具体的には

剣先が触れる位~少し遠めほどにいる事が良いかと思います。

ただ、稽古内容にもよるので注意です。

剣道の元立ちの打たせ方

最後に「元立ちの打たせ方」についてです。

簡単にまとめると以下の2つがポイントです。

  • 成長できる
  • 打突しやすい

成長できる

成長できる元立ちのやり方としては、掛かり手の実力や、弱点を見ながら

  • 間合いの取り方
  • 打たせるタイミング
  • 攻め具合

などを臨機応変に変えていく事が必要です。

指導する事が多い方は意識的に取り入れましょう。

打突しやすい

実際に相手によって、打ちやすい・打ちにくいというのはあります。

伸長差などが原因の事もありますが…

「打ちやすい」と思わせるには、「本気でやる事」と「受ける技術」が重要です。

手を抜かれるとやりにくいと感じてしまう事が多いです。

ここからは「受ける技術」に注目して、具体的なやり方を解説していきます。

剣道の元立ちのやり方の解説

ここからは、上で説明した4つのポイントに加えて、技術的な内容を説明していきます。

具体的には以下の3つについて解説します。

  • 基本打ち
  • 応じ技
  • 引き技
*道場の先生の指示がある場合はそれが最優先です。

剣道の基本打ちの元立ちポイント

基本打ちでは

中段でやや攻め合う→開けて打たせる→避ける

というのを徹底しましょう。

元立ちでは特に以下のようなケースが多いです。

  • すぐに開けてしまう
  • しっかり構えない
  • 避けるのが速い

まずは、構え合って声を出すことを意識するだけで大きく変わってきます。

特に、相手のやる気が足りてない時に効果的です。

そして、なるべく打突が当たったのを感じてから避けるようにしましょう。

もちろん、無理のない範囲でですが、打突のタイミングや、体裁きの練習にもなります。

剣道の応じ技の元立ちポイント

応じ技の元立ちでは「本気の打突」を心掛けてください。

相手のために

「相手のために本気で打つ」というのは、良く言われるかと思います。

実践のシーンでは

  • ゆっくり打突
  • 抜けるのが遅い打突
  • 大きな打突

というものはほとんどありません。

つまり、応じ技では、実践に近い形で練習しなくては意味がないのです。

初心者や苦手な子相手なら、止まって打つなど、違う練習をしましょう!

自分のため

「自分のために本気で打つ」というのは意識している人はかなり少ないかと思います。

応じ技を狙っている相手に、自分の面・小手を決め切る事ができれば、それは大きな武器になります。

応じ技が怖くない技が手に入るのです。

極端なフェイントなど、不適切なものもありますが、本気で取りに行く稽古はかなり効果的です。

剣道の引き技の元立ちポイント

引き技の元立ちの際には

  • 体当たり
  • 部位の開け方

が重要になります。

体当たりについて

良く言われる事ですが

当たりでは半歩前に出て受けるようにしましょう。

これは相手の稽古のためでもありますが、「ケガ防止」の意味もあります。

もちろん、怖い事もありますが、勇気をもって立ち向かいましょう。

部位の開け方について

面・小手・胴を開ける際は「相手に合わせる」というのを心掛けましょう。

相手の攻めに反応して、開ける感覚で大丈夫です。

特に打突場所を掛かり手が決める稽古であれば、自分の感覚に素直になるだけで良いのです。

元立ち次第で剣道が変わる

ここまで、剣道の元立ちについて細かく解説してきました。

特に今回お伝えしたいのが

元立ちは「自分と相手」にとって成長のカギになっているという事です。

元立ち次第で相手の稽古の質を高める事も、下げる事もあります。

「相手のため」というのを大切にしましょう。

そして、同時に元立ちは、自分の成長のチャンスでもあります。

大人であれば稽古の半分ほどの時間は元立ちの事もあります。

元立ちという立場・時間を大切にする事が重要だと思います。