剣道はスポーツじゃなくて武道なのか【スポーツ化を考える】
剣道好き「剣道はスポーツじゃなくて武道?」
「スポーツ化はダメ?」
という方向けに、剣道はスポーツではなくて武道なのかについて解説していきます。
この記事を書いている私は
- 剣道歴15年以上
- 現在は子供たちに指導など
という経歴なので、分かりやすく本質的に説明していきたいと思います。
剣道はスポーツじゃなくて武道なのか
「剣道はスポーツじゃなくて武道だ。」という考えは広く広まっていますよね。
私自身も、ブログ内で剣道をスポーツと呼ばないように心がけています。
結論から言うと、私は、下のように考えています。
ポイントは2つです
- 武道とスポーツの違い
- 剣道のスポーツ性
順番に解説していきます。
武道とスポーツの違いとは
そもそも、武道とスポーツは何が違うのか考えてみましょう。
国際大百科事典には以下の通り書かれています。
武道
精神と技術を一体と考え,修練を重視する武術を,尚武的気風の高まってきた明治末期に武道として受入れていった。
スポーツ
競争と遊戯性をもつ広義の運動競技の総称。
(出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
この言葉から分かる事は、「目的の違い」です。
- 武道:修練がメインで、最終的な目標は成長
- スポーツ:遊びの面と、勝負を重視
といった感じで、何を求めてやいるのかが、違うのです。
剣道について考える
現代の剣道は、勝負よりも、修練を目的とした位置づけである事が多いです。
具体的な武道らしさの例は以下のようなものがあります。
- 残心
- 勝負だけを見ない
- 段審査制度
これらが、剣道のカッコよさや、価値を担っている面もありますね。
そういった所からも、剣道の基本性質は武道であると思います。
剣道のスポーツ的側面
しかし、剣道がスポーツ的でもあるのは、間違いないと思います。
例えば以下のようなものがあげられます。
- 大会
- スポーツ推薦
剣道を修練と考えるのなら、大会やスポーツ推薦は不要なものになります。
「剣道はスポーツじゃなくて武道だ」と割り切る事はできないのです。
繰り返しにはなりますが、剣道は武道だが、スポーツ的でもあると考えるのが自然です。
剣道のスポーツ化について
結論として私は
とはいえ、ルールを変えるとか、武道らしさをやめようとは思っていません。
どちらかというと、スポーツ的側面を認めてあげるのが大事なのかと思います。
具体的な理由は以下の3つです。
- 剣道をする目的を考える
- 剣道を広めたい
- コンテンツとして楽しみたい
順番に説明します。
剣道をする目的はスポーツ的ではないか
皆さんに質問です。
多くの人が「いいえ」と答えるかと思います。
しかし、剣道をしたいと思う裏には
- 打突の高揚感
- じりじりした攻め合い
- 勝利の喜び
など、もっとシンプルな何かがあるのではないでしょうか。
これからを担う子供たち
これからの剣道界を担っていく子供たちはどうでしょう。
小・中学生の子供たちが人間形成のために剣道をやりたいと思うのでしょうか?
私は、学生剣道を長く経験して、剣道のスポーツ的側面を多く感じてきました。
- 試合に勝ちたい気持ち
- 勝つための練習
- 団体戦の高揚感
剣道はスポーツではなく、武道だという主張は分かります。
しかし、このようなスポーツらしさを完全排除した剣道には、衰退の道しかないのではないでしょうか。
剣道を広めるためのスポーツ化
上の内容と少し被りますが、剣道を広めるためには、スポーツ的な所を推す必要があると思っています。
剣道をやったことない人が興味を抱くのは
- 竹刀振るのいいなぁ
- 打突がすごい!
- 試合がかっこいい!
といったものが多いです。
こういったものに、武道らしさを感じますか?
しかし、上のような例はどちらかというと、スポーツ的です。
剣道を深く知らない人に広めるためには、そういったかっこよさを伝える事が必要です。
剣道をスポーツコンテンツとして楽しみたい
以前、私はこんなツイートをしました。
剣道好きだから贔屓目なのかもしれないけど
野球とかサッカーみたいに、観戦する剣道の価値ってすごいと思う‼️
緊張感
ゾクゾク感
圧倒的な迫力
団体戦の一体感
剣(竹刀)を使う事剣道やってなくても、見てて面白そう😎
将来的に、やる側だけじゃなくて、観戦する剣道が流行って欲しいなあ☺️
— のの@剣道 (@nono_kendo) November 4, 2020
今のところ、剣道はやる物で、観るものではない事が多いです。
ただ、ツイートにもある通り、観戦する剣道の価値は高いと思います。
ましては、世界で見てもトップクラスの競技かつ、日本の伝統競技ですから、盛り上がりを見せるでしょう。
私の個人的な将来への展望も併せて、剣道をスポーツ的に楽しむ一面が生まれる事を願っています。