剣道の出小手が決まるようになるコツ【國友流の出小手を解説】
剣道好き「出小手を決めたいけど上手くいかない!」
「出小手のコツを教えてほしい!」
そんな方向けに今回は出小手のコツと、実際に試合で決める方法について徹底解説していきます
上手く出小手が当たらないという方必見の内容です。
この記事を書いている私は
- 剣道歴15年以上
- 段審査で出小手が炸裂
- 現在は子供たちに指導したり
という経歴で、今回紹介する出小手は実際に私が普段使いしている打ち方になります。
剣道の出小手が決まるようになる最強のコツ
まずは一度、こちらの動画をご覧ください!
スロー付きの出小手を選りすぐり4選!(1分半ほどの短い動画です)
今回紹介する打ち方とコツは、上の國友選手流の出小手になります。
具体的なポイントは以下の2点です。
- 打つ前の圧倒的な攻め
- 打突前の竹刀の動き(最重要)
上から順に解説していきます!
剣道の出小手を打つ前の圧倒的な攻め
まずは出小手を実際に打つ前の「攻め」についてです。
ポイントは以下の2つです。
- 攻めとは何かを理解する
- 國友流攻めを意識する
順番に解説します。
攻めとは何かを理解する
剣道で攻めを意識する場面は多くありますが、中でも出小手での攻めは非常に重要です。
攻めへの理解ができているとレベルアップできるかと思います。
詳しい攻めの解説は下の記事にまとめているので参考にしてください。
>> 剣道の攻めとは何かと重要性を分かりやすく解説【攻めは必要です】
國友流の攻めを意識する
國友選手の攻めのポイントは以下の3つです。
- ブレない構え
- 足を使って圧をかける攻め
上から順に説明します。
ブレない構え
國友選手は剣先を不用意にあげずに、常に崩れず真っすぐで美しい状態にあります。
特に学生相手に構えを崩さないのは難しいですが、なるべく意識して頑張りましょう。
足を使って圧をかける攻め
攻めのシーンでは
その構えを保ちつつ、攻めの場面では、足を使って常に相手に圧をかけているのが特徴的です。
こういった構え、攻めをする事によって、相手に「隙がない」という印象を与える事ができます。
それこそが打突前の攻めの重要なところです。
剣道の出小手を打つ直前の竹刀の動き(最重要)
國友選手の出小手が当たる秘訣はここに潜んでいました!!
結論から言うと、出小手を決めるためのコツは
もっと簡単に言うと、竹刀の裏交差の状態を作ってから打つということです。
具体的な打ち方の違い
言葉にすると、國友選手流の出小手には以下のような違いがあります。
・一般的な出鼻小手の打ち方
・國友選手の出小手の打ち方
という風になっています。
実際の打ち方解説
ではここからは、静止画を使いながら実際の打突を細かく説明していきます。
・上からずらして打つ出小手
まずは動画内1本目の上からずらしてとらえる出小手の解説です。
1.お互い表交差の状態からスタート
ここでは始めにお伝えした攻めの意識が重要ですね。
松崎選手が竹刀を下げたのに対し、國友選手が竹刀をスライドさせて裏交差となります。(画像だと少し分かりづらいかも)
3.打突発動
竹刀をずらし、完全に裏にある状態になった直後、両選手は打突に動き出します。
3.出小手で仕留める
非常にコンパクトな小手打ちで確実に仕留める。
・下からずらして打つ出小手
次は動画内2本目の下から裏を取る出小手を見ていきましょう。
1.表交差の状態からスタート
こちらも通常の構えからスタートです。
2.竹刀を小手側にスライド
下を攻めながらも、裏を取るような竹刀の位置を取ります。
3.出小手が炸裂
相手が面に来たところを、そのまま目の前の小手をコンパクトにとらえる。
重要なポイント
審査などの短時間での立ち合いならこのまま使えますが、試合や地稽古のなかで使うにはもう1つポイントがあります。
そのポイントは
國友選手の動画を見ると分かりますが、出小手と同じ軌道で面打ちを決める事があります。
これを研究して、出小手・面打ちの揺さぶりができるようになると、さらに決めやすくなります。
剣道の出小手を決めるコツの理論解説
実際に、上のような打ち方をすると出小手が決まるようにはなると思います。
ここからは、「何故効果的なのか」という点について解説していきます。
理論を知る事で、よりよい使い方ができたり、応用ができるようになるかと思います。
具体的には以下の3点です。
- 打突スピードが上がる
- 打突難易度が下がる
- 相手を動かせる
順番に解説していきます。
出小手の打突スピードが上がる
1つ目の理由として、出小手自体のスピードが大きく上がることがあります。
通常の出小手では、打突が発動してから、竹刀で前後&左右の2つの調整が必要です。
具体的な例を挙げると
- 前後:小手に届かせるために前に進む
- 左右:開いての竹刀を超えて左に進む
という動きが必要になります。
一方で、國友選手の出小手の場合、打突発動前に竹刀を横にずらすことで、先に左右の調整を終える事が出来ます。
その結果、真っすぐ前に竹刀を振るだけの動作で、小手に命中させることができます。
つまり、横に先に進んでいる分、最速で打てることにつながります。
出小手の打突難易度が下がる
続いてが出小手の難易度が下がることについてです。
出小手が当たらない理由で最も多いのが、上で説明した打突位置の調整の難しさです。
出小手は、相手の打突に対して、前後左右を調整して小手を素早く打突しなければなりません。
小手の調整が前後だけになる
そこで、先ほど紹介した打ち方をすると、左右の調整を先に終えているので、前後の調整のみでだとつできるのです。
つまり、小さな面を打つ時と同じような動きになるのです。
これによって、出小手の難易度を大きく下げることができます。
相手を動かす攻めになる
最後のポイントは攻めについてです。
結論として以下の2つがポイントです。
- 相手を誘い込める
- 相手を揺さぶれる
順番に説明していきます。
相手を誘い込める
「打つ前の攻め」で紹介しましたが、正しい構えから成される攻めは隙のない印象を与えます。
しかし、もちろん相手は「自分の技を打っていきたい」と考えますよね。
竹刀が外れると、相手は「とうとう隙を見せた!」「しめた!」と思います。
意識的な反応はもちろんですが、緊張状態では無意識的に反応することも多いです!
またこの時は以下のような状況です。
- 竹刀は低め
- 中心から横にずれた
このような状況下で狙う技は、おそらく飛び込み面しかありません。
これこそが、相手を動かす「攻め」になるわけです!
相手を揺さぶれる
打ち方解説の最後で説明しましたが、國友選手は
- 裏を攻めて面
- 裏をせめて出小手
という2つの裏攻めの武器をもっています。
この2つの武器を見せられると、相手はどう対処したらよいか分からなくなるのです。
実際のパターンとしては下のような例があります。
- 裏を取られる→出小手が怖くて動けない→飛び込み面
- 裏をとられる→面が怖い→動いたところを出小手
もちろん、これ以上に深い攻め合いがありますが、飛び込み面と出小手がお互いの弱点を補うような構成になっているのです。
結果として、技を持つ事・見せること自体が1つの攻めになるのです。
國友選手の小手の極意
まとめると、國友流の出小手の極意は
- 美しい構えと足による隙を見せない攻め
- 打つ直前に竹刀を左にずらす(裏交差を作る)
の2点です。
もしよければこの記事を参考に、出小手をマ練習してみてください。