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剣道の攻めとは何かと重要性を分かりやすく解説【攻めは必要です】

剣道理論

剣道好き「剣道の攻めって結局何なの?」
「一歩入るのが攻めなの?」

という方向けに、「剣道における攻めとは何なのか・その必要性」を徹底解説していきます!

この記事を書いている私は

  • 剣道歴15年以上
  • 現在は子供から大人まで幅広く指導
  • 現役で学び続けています

では、早速解説していきます。

剣道の攻めとは何かと重要性を分かりやすく解説


まずは、「攻めとは何か」という所を明確にしていきます。

結論から言うと

攻めとは相手の心を動かす事です。

イマイチぴんと来ていない方も多いと思うので細かく解説していきます。

剣道の攻めとは「行動」ではない

「攻めって何?」と聞かれた時に

  • 先に一歩入る事
  • 声をしっかり出す事
  • 打つ前にやり取りをする事

と答える方は非常に多いです。

しかし、これらの行動自体が「攻め」ではありません。

引き技を考えてみましょう

引き技は打つ前にフェイントや崩しを入れたりすることが多いです。

その「行動」によって相手が隙を見せる事で打突が決まると、これは良い攻めになるのです。

一方で、そのタイミングで相手が全く動じなければ意味のない行動になってしまうのです。

簡単に言えば「○○をすることが攻め」という訳ではなく、攻めとは相手ありきのものなのです。

「攻め」とは剣道で相手に何かを感じさせること

  • 先に一歩入る事
  • 声をしっかり出す事
  • 打つ前にやり取りをする事

つまり、先ほど示したこれらは全て攻めになりうるのです!

実際に一歩入られたら「怖い」と思いますし、打つ前の読み合いも迷いを生ませます。

ただ、行動そのものが攻めではないと認識はかなり重要になってきます。

ただ、ポイントは相手が何かを感じるという事なのです。

「いける!」と思わせるのも攻めの1つ

相手に何かを感じさせるという観点で言うと、「いける!」と思わせるのも有効な攻めなのです。

具体例を挙げると以下のようなものです。

  • 一瞬隙を見せる
  • 同じ技を3連続で使う
  • 小手を見る

これらをされた相手は、「隙を見つけた」「しめた!」と思い打突を狙ってきます。

攻め合いの中での一瞬の隙には、体が勝手に反応するケースも多いです。

相手の迷いや恐怖を生ませる攻めに対して、相手の打突を誘うような事も「心を動かす攻め」なのです。

個人的には、そこをとらえるのが「応じ技」であると考えています。

応じ技を狙う時に「前に向かう攻め」を意識する事は多いですが「隙を作る」のも重要です。

とはいえ、ここは長くなってしまうのでこの記事では割愛します。

剣道における攻めの必要性とは


剣道では、何度も攻めについて考えたり、指導を受ける事があります。

ここからは、攻めが試合・審査問わず、重要視される理由について解説していきます。

結論から言うと

剣道では攻めなしで打っても当たらないからです。

具体的には以下の2つがポイントです。

  • 防御への意識が高い
  • その対抗策としての攻め

順番に解説していきます。

剣道は防御への意識が高い競技

まず1つ目として、「防御への意識の高さ」があげられます。

あまり意識している方は少ないと思いますが、剣道は1本の重みが凄まじく、防御の意識が強い競技だと思っています。

審査では1本取る事が大事ですし、試合での1本の重みは言うまでもありません。

わずか1秒に満たない打突を数分間逃れ続ける防御力と考えると、その防御性が伝わるのではないでしょうか。

無意識で防御をしているのが重要

特にポイントになるのは、そういった防御を無意識で行っている事です。

稽古内で守りの方法の稽古を重点的に行う事は非常に少ないです。

しかし、実践ではある程度防御が自然とできているのです。

言ってしまえば、直感的に防御している方が多いのです。

それだけ守りが堅い相手に対して、ただシンプルな打突をしても決める事はできません。

攻めとは剣道の防御への対抗策

ここで必要になってくるのが「攻め」なのです。

具体的に言うと以下の3つの攻めが特に実用的です。

  • 直感の防御の裏を取る攻め
  • 防御を迷わせる攻め
  • 防御を間違えさせる攻め

順番に説明していきます。

直感の防御の裏を取る

まず1つ目は、相手の防御を引き出した後に、技を決めるための攻めです。

簡単な例としては以下のような攻めです。

  • 手元を上げさせる
  • 打つふりフェイント
  • 表面攻め→裏面

基本的に相手の動きを引き出してからの打突なので、的確にとらえやすいです。

また、攻めの手法としてはフェイントなどが当てはまりやすいです。

防御を迷わせる

2つ目は相手の防御を迷った隙の打突を決めるいう攻めです。

簡単な例としては以下の通りです。

  • 裏表を攻める
  • 上下を攻める
  • 前後で攻める

大学生以上・4段以上になってくるとここの攻めがメインになってくるかと思います。

フェイントのような目に見える攻めではないですが、相手を惑わすという点ではどれも効果的です。

個人的に、打つ前の攻め合いはほとんどがこのやり取りかなと思います。

防御を間違えさせる

最後は相手の防御を間違えさせて打突を決めるという攻めです。

具体的には上で説明した二つの攻めのハイブリット型です。

顕著な例としては以下のような技があげられます。

  • 担ぎ面
  • 小手フェイントの引き面

ただ、これらは上の二つを意識的な技として狙った時の効果なので、「攻め」とは少し違うかもしれません。

剣道で1本取るなら攻めが必要です

ここまで説明した通り、1本入るときには必ず何か攻めがあると考えてください。

強い選手の技は、ただの面に見えてもその裏には必ず攻めがあります!

相手の心惑わし、1本を取りに行く剣道を意識すると、格段にレベルアップできると思います。