剣道にビデオ判定は必要か徹底解説【剣道の未来を考える】
剣道好き「剣道にビデオ判定はないの?」
「導入するのは良くない?」
という方向けに、剣道にビデオ判定は必要かどうかを徹底解説していきます。
この記事を書いている私は
- 剣道歴15年以上
- 現在は子供たちに指導など
という経歴なので、分かりやすく説明していきますね。
剣道にビデオ判定は必要か徹底解説
とはいえ、基本的には導入せずに、審判の精度を上げる事が優先されるべきだと思います!
説明する上で重要なポイントは以下の2つです。
- なぜビデオ判定論が出るのか
- 1本の基準の曖昧さ
順番に細かく解説していきます。
剣道でビデオ判定論が出る要因
基本的に、剣道をやっている人からすると、ビデオ判定というものには違和感を感じます。
「ではなぜ、剣道のビデオ判定論が出るのか」
その答えはいたってシンプルで、それだけ誤審への不満があるからです。
- 当たってない技で負けた
- ネームバリューで負けた
という不満があるからこそ、剣道でビデオ判定がいるかどうか、という話が出るのです。
ローカル大会に限った話ではない
これは、ローカル大会だけに限らず、全日本選手権などでも起こりうる話なのです。
近年はスローで映像を流すなど、オープンな活動がありますが、それと共に、誤審が露呈する事もあります。
剣道は武道だから勝負がすべてではない
もちろん、私も今の剣道が好きですし、「スポーツじゃないからビデオ判定はいらない」という意見も分かります。
しかし、まずは誤審を容認している現状を理解する事が必要だと思います。
ビデオ判定を入れたくない気持ちは私も同じですが
- どうしてそんな話が出るのか
- 現状の問題は何か
- 解決策はあるのか
という所まで、まずは深く考えてほしいと思います。
1本の基準のあいまいさ
剣道の「1本」は当たったかどうかだけでなく、その前後のやり取りや、残心など、多くのものが評価されます。
そういった背景から、「ビデオ判定はいらない!」と考えがちです。
有効打突の条件を思い出してみましょう
全剣連の公式のルールとして、有効打突の条件は以下のように書かれています。
第12条
有効打突は、充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする。
(出典:全日本剣道連盟;https://www.kendo.or.jp/old/kendo/rules/rule1.html)
充実した気勢・適正な姿勢・残心といったものは曖昧なものですし、審判の判断が絶対で良いと思います。
しかし、「打突部で打突部位を打突する」というのは、簡単に言えば当たってるかどうかですよね。
審判の先生の判断にゆだねる事は必要ですが、本来曖昧でないところを審判が曖昧に評価している状況には疑問があります。
そういった所からも、1つの判断材料としてのビデオ判定は必要ではないかと感じるのです。
剣道のビデオ判定に対する私の意見
これまで説明したことから私は
微妙な1本や、相打ち技に関しては通常通りですが、明らかに当たってない打突には異論を唱えるシステムは必要だと思います。
ビデオ判定は最終手段である
一応、賛成はしていますが、冒頭で言った通り、これは最終手段だと思っています。
ビデオ判定は、あまりにも剣道にはマッチしていませんし、本当なら導入すべきではありません。
剣道のビデオ判定よりも優先すべき事
やはり、剣道ならではの緊張感や、審判を敬う気持ちというのは1つの大きな魅力です。
ビデオ判定を導入すれば、そういったものが薄れ、剣道ならではの良さが減るのは目に見えています。
しかし、現状で誤審が問題となっているのも事実です。
そこで、まずは審判のレベルを高めるのが必要になると思います。
ここでの具体的なポイントは以下の2つです。
- 3人制審判である事
- 審判の難しさ
順に解説していきます。
3人制審判である事
剣道が3人制の審判であるというのは、かなり良いシステムだと思っています。
しかし、3人制の審判であれば、3人中2人が誤審でなければ、大きなミスは防げるのです。
1人1人が強い意思を持つ事が必要
正直、他の審判の動きを見て、旗を操作するという事は少なくありません。
1人1人が自分なりの審判に徹する事ができれば、誤審のリスクは減るのではないかと思います。
審判の難しさ
そもそも、剣道の試合の審判は非常に難しいのです。
試合の審判中に
- さっきの上げればよかったかな
- 今の微妙だなどうしよう
となる事を経験したことある方も多いのではないでしょうか。
大会前には、審判講習会が有りますが、ローカル大会の審判は最低限の講習だけであることもあります。
そもそもの難しさを理解して、認める事で、審判のレベルは向上するのです。